第71回日本PTA全国研究大会広島大会 全体会

8月26日(土)広島県立総合体育館にて
第71回日本PTA全国研究大会広島大会 全体会が行われました

全国より6,800名を超える参加者が集まり、学びを深める大会となりました。


全体会の記念講演講師は、黒川伊保子さん

人工知能研究者の黒川さんが、脳科学の視点から興味深いお話をしてくださいました。

「対話力の重要性」

ChatGPTが実用化し、人工知能が生活の一部ととなりつつありますが、人工知能が進化しても必要なのは「対話力」ChatGPTの返答は、質問の質で変わります。
より深く質の高い質問をすれば、それに対してより良い返答がありますが、質問内容が薄ければ返答もそれなりなんです…
どんなに人工知能が進化しても、必要なのは人間の「対話力」なんですね。

「いいね!で受ける」

始業式、子供がバタバタと準備をして登校。帰ってきて一言「ママ!上靴忘れた~!」こんな時、どんな言葉を掛けますか?
「だからちゃんと準備しなって言ったでしょ!!」言いませんか?笑
残念ながら、これは良い返答ではありません。頭から否定する言葉「駄目」「無理」などは子供の自己肯定感を下げてしまいます。
こんな時、黒川さんはこう言うそうです「そっかぁ、ママも一緒に確認すれば良かったね。でも次は気を付けよう!」
一度受け入れて貰えた事で、子供にとって親が相談しやすい相手と脳が認識します。
逆に否定をされると、子供は親には話しにくい、脳が親を敵として認識してしまう事もあるんです。

子供が成績不振なのにもかかわらず「友達とカラオケ行って2時間も歌ってきた!」と帰ってきた時、思わず「遊びに行く暇があるなら勉強しなさい!」と言いたくなりますよね?
黒川さんは「いいね、青春だね!でもね、勉強も青春の一部よ?」とご自身のお子さんに伝えたそうです。

「あなたのファイトは買うわ!でもお母さんは心配なの」
「君の気持はわかる!でも、お父さんには別の見方があるんだよ」
まずは否定ではなく「いいね」で受け取ると、親が最強な見方になるとのこと!

職場で部下の良いとは言えないアイデアに対して
「それはダメだよ!」と否定から伝えるのではなく「良い所に気付いてくれたね!でもそのアイデアは使えないかな?」と、まずは受け入れてあげる事で、部下のモチベーションや上司に対しての信頼度が上がるとの話もされていました。

「咄嗟の思考回路は2つ、共感型と問題解決型」

子供が体調不良になった時…
プロセスで気付きを起こすのが「共感型」
「そういえば昨日、スポーツドリンク飲むの嫌がってたなぁ」「そういえば今朝、パン食べてなかった!」
今できる事をゴールに意識を集中して動くのが「問題解決型」
「体温計で熱が無いか確認しよう」「今から行ける病院を探そう」

夫婦は違う感性を持っている事が多く、違う感性のペアは鉄壁!
ただこのペア、コミュニケーションはうまくいかない事が多いんです…

共感型の奥さんが家事の100のうち98をやりました「これだけ家事が出来て良かったわ」
そこに問題解決型の旦那さんが帰ってきた時、出来ていない2の家事が目についてこう言います「ここは出来てないね?」
奥さんは怒ります「どうしてそんな言い方しか出来ないの!?」こんなに頑張ったのに出来なかった2を指摘するなんて、この人はなんて冷たい人なんだろう…
旦那さんはこう思います「どうして気付かないんだ?客観性が足りない!!」

さて、どちらが悪いと思いますか?笑
黒川さん曰く「どちらも濡れ衣、使っている脳が違うだけでどちらも悪くないんです」
…なるほど!
脳が違う事がわかっていたら、不満に思う事や腹を立てる事が減るのかもしれないですね。笑

まだまだ沢山のお話を聞けて、とても学びの深い時間となりました。

謝辞は、札幌市PTA協議会の中野会長

研究大会での内容は、後日大会収録でも紹介される予定です。
お時間があれば、そちらも見て頂けると幸いです。