日本PTA全国研究大会広島大会第3分科会

第3分科会 地域連携
研究課題:学校教育と地域の連携をどう進めていくか
〜子供の成長を地域と共に〜に参加をして来ました。
 本分科会では、基調講演と実際にコミュニティ・スクールに取組んでいる3つの地域の実践発表がありました。
広島修道大学の山川肖美(あゆみ)教授による基調講演では、「シビックプライド」という言葉を初めて聴きました。シビックプライドとは、「都市に対する市民の誇り、良い地域にする為に自分が関わっているという当事者意識を伴う自負心」という意味だそうです。誰しも、自らが暮らすマチの良さ・マチへの想いは持っていると思います。
それを育てる時、子ども・保護者・教員・地域が自由に乗り入れ出来て、自由に拡げる事が出来るプラットフォームの様な存在が大きな役割を果たす。具体的には、”地域にとって大切なモノ・コト”を中心に据えて、最初は小さな事でも各々がそれぞれの立場で考えて、それに対する”関わりしろ”を感じて貰う事で、皆にとっての共通の話題・テーマとなり、地域と学校を紡ぐ事に繋がります。
 3つの地域の実践発表は、それぞれの地域性が良く現れていました。
 広島県府中市府中明郷学園は、小学校4校が併合された小学校と中学校2校が併合された中学校が統合し、小中一貫校として開校しました。学校運営協議会の立石克昭会長は、学校が無くなった地域では地域と学校の関わりが無くなると考え、平成24年度の準備から携わり、平成26年度にコミュニティ・スクールを設置しました。子どもたちに地域行事に参加だけではなく、積極的に企画を任せるなど参画型に変える事で、地域の活性化に繋がったそうです。また、キャリア教育に地域企業が関わり、教職員をサポートしながら、7・8年生では模擬会社の取組みを行っています。「地域の中に学校を!学校の中に地域を!」の想いで、子どもたちを育んでいます。
 島根県松江市では、小中一貫教育に取り組んでいます。松江城(千鳥城)周辺の5つのPTA・保護者有志が「千鳥の杜学園地域推進協議会」を設立。
小中学生向けの取組みを行う任意団体「千鳥のお堀を学ぶ会」を立ち上げ、松江城の清掃や観察を始めました。松江市立第一中学校PTA会長として設立に関わった元島根県PTA連合会原完次会長は、地域の宝とも言える松江城を貴重な学びの場として子どもたちに触れる機会を持てて良かったと話していました。今やこの事業は、地域だけではなくTOYOTAが活動に協賛し、県知事も毎年視察に来る事業になった。
 鳥取県倉吉市関金小学校PTAの梅谷友美副会長の発表では、町内唯一の小学校に対して関わりを持ちたい地域の方々が”せきがね応援団”として、様々なボランティア活動をしている話がありました。
また、親子・地域で成り立つ取組みとして、生命の大切さを学ぶ場として、牛飼い体験をしていて、
牛一頭を一年かけて育てて、最後はお肉になるまでを体験するそうです。
札幌市ではなかなか進展が見られませんでしたが、昨年末から「札幌らしいコミュニティ・スクールの在り方検討委員会」が立ち上がり、これから具体的な話になると思います。学校を核として、子どもと地域社会が繋がる様な仕組みとなるべく、我々も当事者意識を持っていきたいと感じました。